「聴く」力を育てたい
心で聴く、耳で聞く 世界
音楽はただ耳に届くだけではありません。私たちの心を動かし、感情を呼び覚まし、様々な想像をもたらします。しかし、この力を引き出すためには、単に「聞く」のではなく、「聴く」ことが必要です。本ブログでは、ピアノ教育を通じて「聴く」力を育てるための活動について紹介し、「聞く」と「聴く」の違いを探っていきます。
「聞く」と「聴く」の違い
まず、「聞く」と「聴く」の違いについて考えてみましょう。「聞く」とは、音が耳に入ることを指します。これは受動的な行為であり、意識的に行う必要はありません。例えば、日常の騒音や人々の話し声などがこの範疇に入ります。
一方、「聴く」は、意識的に音を捉え、理解し、想像し、意味を見出す行為です。これは能動的なプロセスであり、注意を集中し、感情を込めることが求められます。音楽を「聴く」ことで、演奏者の意図や感情を感じ取ることができ、より深い音楽体験を得ることができます。
合同発表会の意義
私の生徒様には、他教室との合同発表会に出演させていただける機会を設けています。これは、生徒たちが異なるスタイルや技術を持つ他の演奏者の演奏を「聴く」機会を提供するためです。合同発表会は、音楽を共有する場であり、互いに学び合う絶好の機会です。
他の生徒の演奏を「聴く」ことで、音楽の多様性を理解し、自分自身の演奏に対する新たな視点を得ることができます。また、異なるアプローチや解釈を学ぶことで、自分の表現力を広げることができます。
弾き合い会の効果
ステージやコンクールに向けた弾き合い会は、緊張感を持って他人の前で演奏する練習になるだけでなく、他の生徒の演奏を「聴く」絶好の機会でもあります。弾き合い会では、同じ曲を異なる解釈で演奏する様子を「聴く」ことで、楽曲の理解を深め、自分の演奏に新たなアイディアを取り入れることができます。
また、弾き合い会で他の生徒の演奏を「聴く」ことで、共感や尊敬の念を抱き、音楽を通じたコミュニティの一員としての意識を高めることができます。
「聴く」力を育てる具体的な方法
音楽を「聴く」力を育てるためには、いくつかの具体的な方法があります。演奏を録音して後から聴き返すこともその方法の1つです。これにより、自分の演奏の癖や改善点を客観的に把握することができます。自分では弾いているつもり、表現しいるつもり、でもいざ録音した演奏を聴くとまた感じ方が変わります。
また、プロの演奏家のコンサートに足を運ぶことも重要です。生の演奏を「聴く」ことで、音楽のダイナミズムや演奏者の表現力を肌で感じることができます。さらに、様々なジャンルの音楽を聴くことで、音楽に対する感受性を高めることができます。
「聴く」力がもたらすもの
音楽を「聴く」力が身につくと、演奏者としての成長だけでなく、音楽を楽しむ幅も広がります。細部に注意を払い、音のニュアンスを感じ取ることで、音楽の奥深さをより一層味わうことができます。また、他人の演奏を尊重し、音楽を通じて人と人がつながる喜びを実感することができます。
音楽を「聴く」ことは、単なる技術的なスキル以上のものであり、感受性や共感力を育む重要な要素です。合同発表会や弾き合い会を通じて、「聴く」力を育てる活動を続けていきます。音楽を通じて心と耳を開き、より豊かな音楽体験を共有しましょう。
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